2009年のミルクティー(1)

部屋の整理についてです。
かつて私は、空間をいかに有効に使うか、その利用率を高くしようとして部屋に物を置いていました。部屋の四面にギッシリ棚をつけてそこに隙間なく物を詰める、という感じでした。
もともと、私は下町の狭い公営住宅文化住宅(アパートのようなものです)が多い地域で生まれ育っていますから、収納スペースを多く取るようなスタイルに美しさを感じていました。たとえば台所で、狭いスペースに効率よく物を置き、砂糖入れなんかを「空間を埋めるパズル」みたいな感覚で置きたいと思ってしまうのでした。
ところが、これが実際にやってみるとですね、わずかな隙間に油汚れがこびりついたりして、掃除が大変だったりするのです。見た目に美しい部屋が、実際には住みづらいという、よくある話ではあるのですけれども。
そんなわけで最近では、「水回りには物を置かない」という教訓を得ました。収納の密度が高いことは、必ずしもよいことではないわけです。
 
その一方で私は、書庫に隙間なく本が詰まっていると安心します。公共図書館や書店と異なり、自宅に書庫を作るとデッドスペースが発生しがちなのですが、それでも空間が本で埋まるのは気持ちがいいです。
それと同じく、空間が機械で埋まるのも気持ちがいいです。これについても、以前はオーディオ機器で部屋を埋めるのが夢だったのですが、しかしそういう状態の仕事場で勤務してみると、自宅に機械がたくさんあるというのは「仕事場の中古をもらってきました」という感じが強くするので、最近ではそれほど魅力を感じなくなりました。リビングのオーディオなら、CDP+プリメイン+2chSP程度のほうが、好ましく思えてきます。以前ならここにグライコやら単体DACやらをコテコテと積み上げたいと思ったところです。
ただですね、それはそれとしてやっぱり自宅に機械で固めたスペースが欲しいところです。足元にはケーブルがウネウネしていて、ボタンやらライトやらが咲き乱れているような場所があれば、やっぱり落ち着くんですよ。