学習指導要領案

前回(id:ameni:20081223#p1)のつづき。

2.理科

理科についても、新課程では科目の組み換えがありますが内容にそれほどの変更があるわけではありません。
電磁気分野では、電気振動や交流計算が新しく範囲として明示となります*1。昭和45年告示以来の明示なのですが、今回は共振回路の扱いについては明示されていません。単振動と絡めた計算問題や、ラジオの構造などの説明が出るのでしょうか。気になるのは、現行課程のIIから新課程の物理基礎へ移行する内容が、力学分野中心であることです。もともと現行課程では、物理Iで力学がそれほど多くなかったのですが、これが新課程でバランスがよくなったところです。現行では、物理IIになったとたんに力学の諸概念が一気に登場して内容が過密気味であったのですが、これが解消されています。ただ、内容の総量はそれほど増えておらず、たとえば旧課程では物理IBで扱われていた力積は、新課程では「物理」(現行の物理IIに相当)に配当されており、また旧課程では物理IBで扱われていたコンデンサも、新課程では「物理」で扱われます。
天体分野では、地学IIで「銀河と宇宙」という項目があります。膨張する宇宙で「現代の宇宙像の概要を理解すること。」とされており、これが新出内容です。ビッグバンについては新課程の地学基礎、現行課程の地学Iで扱うのですが、これを発展させるものとなります。このあたりは、バランスのよい配列になっているなと思います。
 

*1:現行課程でも電気振動・共振回路は教科書では扱われています。