指導要領

前回(id:ameni:20070918)に関連して、「学習内容の復活」について。
授業時間数はあまり増えない(「朝の計算練習の時間」とか「放課後の補講」みたいな時間を授業時間に算入する方針のようですが)のに、削りすぎた内容を復活させるというしくみが、よくわかりません。ここでは、以前ちょっとみてみた天文分野について、具体的に学習内容がどのように増える(べきである)のか、ちょっと考えてみました。
(というわけで、「予定される事象についての予想と主張」です)
■小学校
この分野は、現行課程では3・4年生で扱います。これ以上内容が増えると、この学年ですべて消化するのは困難なので、旧課程(平成元年)と同様、6年生でも天文を扱うことにします。しかし1つの単元をまるまる新設するほど、天文分野で新規に扱うべき量があるとも思えないので、この場合、現行では4年生で扱っていた内容の一部を、6年生に移行します。
4年生で扱う「月」と「星座」のうち、「星座」を6年に移行。
月に関しては、1か月ごとの満ち欠けの様子を新しく扱います。原因については、太陽と地球と月の位置関係について簡単に触れる程度です。
恒星に関しては、南天と北天の星の動き方の相違を新しく扱います。
結局、旧課程と現行課程の中間のような内容になりそうです。
■中学校
この分野は、現行課程では3年生で扱います。この点の変更があるかどうかはわかりません。
新しく増える項目としては、「主な惑星を2〜3個取り上げ、形、大きさ、表面の様子を扱い、地球と対比させる。」程度があるかもしれません。
ただこの学年では、「イオン」や「仕事」など、増えるであろう項目が多いので、天文分野はそれほど増えないと思います。
 
ついでに以前ふれた電磁気分野。
■小学校
中教審の素案では、「電気の利用」という単元を新設する方針ですから、おそらくそれ以外の電気分野が増えることはないと思います。
電気の利用はおそらく6年で扱い、電流と光・熱・運動の関係から「電気は生活に利用できること」を扱う、というものになるでしょう。旧課程では電熱線について6年で扱っていました。今回の新設単元もこれと似た内容かもしれません。
■中学校
素案では「電力量」が復活する方針のようです。それ以外に現行で削除された分野として「交流」「真空放電」などがありますが、これらの復活は分量的に少し難しいと思います。
 
というわけで、おそらく現在の教科書の「発展項目」の一部が必修項目になる程度だと思います。