ステサン160

もう既に次号が出ているのですが。
 
今回は新旧ブランドの特集という感じでした。もちろん、私が現物を見たことがないものもたくさんあるのですが、ここで、いくつか気になるところの印象を、自分語り半分で書いていきます。
エラック:JETトゥイータからの甘い旋律にはいつも降参してしまいます。しかも、買えない値段ではないというのもニクいですね。ただブックシェルフのほうは、ちょっと高めの音が技巧的というか、ちょっと不自然さがめだってしまうのが気になります。エラックはかなり抑えられてはいるのですが、それでも箱の音が気になるわけで、それが好きではないんですよ。
ブルメスター:手が届かない高級品ゆえに数年前に聴いたきりです。しかしあの甘さは忘れられません。銀の機械からこんな甘い音楽が出るとは思わなかったので、本当にビックリしました。この鋭い、尖った甘さが、今の私の方向性の到達地点です。
ライラ・コニサー:本文ではプリ(5.0L)が紹介されていましたが、私はむしろフォノイコのほうに凄味を感じます。その質は、私のような者にも「値段ぶんの価値がある!」と確信させてくれます。
 
新製品紹介のところでは、ホヴランドのストラトス(550万円)のところで、菅野氏がけっこう興奮していて空襲の話になり、爆撃機の姿は見えるが高射砲が届かず、高射砲の白煙の向こうの上空で爆撃機焼夷弾を落とす様子を長々と書き綴っています。確かにB29ならstratos(成層圏)も飛べそうですが。もともと菅野氏はホブランドの美しさは高く評価しており(かつて一度、プリとパワーで色が合っていないとかで、クルマの世界なら考えられないことだ、とかなんとか苦言を呈していたことはありましたが)、そこでのブラスの鮮やかさを褒めています。
個人的に気になった新製品は、フライングモールのデジタルプリメイン。いままで4万円台程度のコンパクトな製品が多かったのですが、今回は18万です。「クセがない」と書かれていますが、なるほど、フライングモールならストレートワイヤーもできるでしょう。