交流電車

前回、北陸の話が出たので、ここでちょっと普通列車用の交流電車をみてみます。
★北海道
(1)721系
JR発足当初に製造された近郊用車両です。当時の国鉄型は2扉デッキ付クロスシートですから、都市近郊では使いづらかったです。
721系はステンレス製・3扉デッキ付という特徴があります。後のほうになると、デッキなし車両ができたり(ドア付近で風が吹いて、外の冷気が入るのを防ぐ)、リクライニング座席ができたり(快速エアポート用)しました。
(2)731系
JR北海道では初めての、通勤用車両です。3扉デッキなしロングシートです。ステンレス製の見た目は721系と区別がつきにくいです。
札幌近郊を走っていますが、気動車との協調運転ができたりもします。
(3)735系
3扉デッキなしロングシートの通勤用車両です。731系とよく似ていますが、こちらはアルミ製です。
(4)733系
今年(2012年)に新造された車両形式です。番号は若いですが、735系よりも新しいです。733系はステンレス製に戻しているようです。
3扉デッキなしロングシート。見た目は731系とよく似ています。
 
なお、北海道の普通電車はほとんどが札幌近郊を走っています。旭川や室蘭あたりは、711系(国鉄型)が主で、気動車すら使われています。711系の活躍範囲はだいぶ狭くなりましたが、2149Mは711系なんですよね。これは、小樽〜旭川函館本線電化区間を4時間半かけて直通する列車で、現在の直通はこれ1本だけのようです。
ちなみに、北海道の交流電化区間はほかにも江差線津軽海峡線がありますが、こちらの普通列車はすべて気動車です。
 
★東北
(1)719系
JR発足当初に製造された近郊用車両です。北海道と同じく、当時の国鉄型は2扉デッキ付クロスシートでした。719系は直流での211系とよく似ている車両で、ステンレス製・3扉セミクロスシートです。
仙台・福島方面を走っています。標準軌区間(福島〜山形、新幹線乗り入れのために標準軌になっている)にも投入されています。
(2)701系

私の印象に強く残っている車両です。私が東北地方を乗りつぶした頃に登場しました。正直、この車両に当たったときはハズレだと感じたものです。デッキ付クロスシートと3ドアロングシートとでは、長距離移動の快適さでは相当大きな差があるんですよ。
最初は秋田地方だけだったのですが、だんだん走行区域が増えていき、いまでは東北地方のほとんどを走ります。仙台近郊をはじめ、標準軌区間(山形〜新庄、盛岡〜秋田)、3セク区間(盛岡〜青森)、震災復旧孤立区間原ノ町〜 相馬)と活躍しています。
ステンレス製・ロングシート(一部セミクロスシート)です。
(3)E721系

5年前から製造されている、仙台近郊用のステンレス製・3扉セミクロスシートです。仙台空港鉄道にも使われています。
 
こうやってみると、やはり東北=701系なんですね。登場した頃は、「仙台でもセミクロスシートなのになぜ秋田がロングシートなんだ」「仙台近郊よりも郊外のほうが混雑するのはおかしい」などと批判を強く受けていたのですが、まあ客車列車には味があってイイというのは旅行者の言いぶんなんでしょう。
ただそうはいっても、525M(→1639M)などは酒田〜弘前を5時間かけて走るわけで、これを701系で乗り通すというのは厳しいですよね。