秋の紅茶(5)ルーミング

先日、近くの散髪屋へ行きましたら、理容師さんの指先がけっこうタバコ臭かったです。いや私がそういうのを気にする性質だというわけではないのに(おそらくは、むしろ鈍感な方)それでもあきらかにツーンとくる感じでした。でもって、髪を切っている途中でその理容師さんは一度、店の中のトイレみたいな別室にしばらく入りました。そして戻ってきたときには、さらに指先のタバコの臭いが強くなっていたんです。いやアンタ、いま吸ってきたやろ。
 
そろそろ(やっと)朝晩涼しくなってきました。そうなると紅茶もホットでおいしくいただけることとなります。梅雨を越してしまったような古い茶葉は全て処分することにして、ここは仕切り直しです。一服が仕事の一区切りになるような、そんなタバコみたいなお茶をめざして。
そういえば、以前のバイト先の店長が、「禁煙したけれども、仕事や食事の一区切りの一服がほしくなる」みたいなことを言っていて、なるほど確かに、と思いました。おそらく普通はコーヒーやガムあたりになるのでしょうが、しかしコーヒーは匂いが気になる(気になる人にとって、コーヒーを飲んだ人の匂いって、タバコを吸った人の匂いと同様に気になるのですよ)し、ガムは一度かんだらしばらくは口の中に物が入った状態になるというのがどうも気になるんです。私の場合も飲み物がメインです。ですがコーラは甘いし、ビールは食事のシメというよりは次の惣菜がほしくなってしまうし、スプライトはゲップが出るし、というわけで炭酸飲料はどうしても欠点が目立ちます。
というわけで茶葉を仕入れてみます。ストレートで葉っぱの味を確かめるために、ダージリンから。