田野浦臨港線

先日、所用のためにレンタカーを借りて西へ向かったので、そのついでに鹿児島本線(外浜貨物線)の様子を調べてみました。外浜線は現在休止線で列車は走行していないのですが、来年(2009年)の6月には観光列車が走行する予定です。
http://www.retro-mojiko.jp/pdf/retro_kanko_train.pdf
このあたりの事情については、以前(id:ameni:20071014)書いたとおりです。
写り具合については、安物ケイタイのカメラ機能を使って早朝に撮影したものなので、ご容赦いただければと思います。
 

門司港駅の東側から延びる単線非電化の貨物線が、外浜線・田野浦臨港線です。阪和連絡線と同様に、休止線として扱われています。踏切の扱いも、阪和連絡線と同じく、警報器には覆いがかけられて遮断機が撤去されています。
 

しかしよくみると、信号機が点灯しています。休止線となってから4年ほど経ちますが、信号機や転轍機はいつでも動かせる状態になっているようです。
 

門司港から北へ進むと、JR貨物の外浜駅に到着します。路線休止前からここでの貨物列車の取扱いは行っておらず、ホームなどの設備も見当たりません。
 

外浜貨物駅からさらに北に進むと、トンネルがあります。内部はもちろん立入禁止です。観光列車が走る頃には、このあたりに駅ができる予定です。
 

関門橋・めかりパーキングエリアから門司港駅の方向をながめます。このあたりは高い建物も多いので、線路の観察はしやすいと思います。
 

トンネル出口です。草が茂っていてよくわからないのですが、線路は敷かれていないようです。以前に起きた土砂崩れの影響でしょうか。
 

一方、そのすぐ近く、1キロポスト付近はすごくきれいに整備されています。去年ここでトロッコ列車が走るイベントがあったので、そのために線路を敷きなおしたようです。
 

さらに進むと、やや広い信号場があります。
 



道路に面した建物の表示によると、ここは臨港線の雨ヶ窪という名称のようです。門司港発の列車は2番線か3番線を通過する仕組みですが、その場合には貨物の積み下ろしをする設備がないですから、どうやらここは駅ではなく信号場のようです。
 

この信号場では、道路のガードレールが切れていて踏切になっている場所があります。そしてその先は斜面の出入り口へとつながっています。
 

これが山陽新幹線の和布刈斜坑です。厳重に施錠された扉から中をのぞいてみると、下へ向かう階段が見えます。
 

信号場からさらに線路をたどってみると、やや広い設備があります。このあたりに観光列車の車庫ができる計画なのですが、現在は留置線のような跡があるだけです。屋根の形が特徴的な建物がありますがその構造の一部が撤去されているようで、写真では目の前に見えるドアは、出入り口としては全く役に立たない状態になっています。


その先は金網でふさがれています。ここは、貨物列車が走行していた頃から金網は設置されていて、列車走行時に扉が開くようになっていました。ここは大きな倉庫があります。倉庫の管理は北九州市(港湾局)ではなく、福岡農政事務所(農林水産省九州農政局)となっていて、国の管轄となります。倉庫の施設は売り払いが決定していますが、そのあとの処遇は未定であり、線路がどうなるかはまだわかりません。
 

倉庫の反対側です。写真の左奥まで伸びている塀から中を見てみると、倉庫のドアはかなり頑丈にできており、また倉庫際にも線路は残っているようです。
線路はさらに伸びて、倉庫を突きぬけます。
 

交差点の歩道橋から倉庫側をながめてみます。線路の右を走る道路は、線路のすぐ近くを通るのにガードレールもないです。走行するセメント貨物が間近に見られたかもしれません。
 

同じ歩道橋から反対側をみます。この先は臨港施設になっていて、関係車両以外通行禁止になっています。ということは歩いて進むしかありません(立ち入り禁止の場所もあります)。
 

施設内は線路が途切れ途切れになっています。工場は操業していますが、廃線や線路設備が放置されていたりしています。写真は踏切の跡です。
 
こうやってみてみると、いかにも休止線という状態で荒れており、来年に観光列車が営業開始するとは思えない状態です。門司港駅から車庫予定地まで、それらしい工事は全く行われていませんでした。