私は成長したい。

しかし、職場の役割関係のことであまりグジグジ考えていると、そのうち自分自身の仕事が粗くなる気がします。相変わらず、上司や部下について書かれた本なんかを立ち読みしていますが。
 
考えてみると、偶然に任せる形で勝手に人間関係を作り上げることは経験したことがあるのですが、でも、自分で選択できない特定の者に対して、確実に良好な関係を形成してなおかつその者を育て上げなければならない、というのはかなりプレッシャーになります。「コイツは私と相性が合わないからダメだ、さあ気を取り直して別のヤツを探そう」というわけにはいかないんです。でもこれは子育てにも共通するプレッシャーだったりします。子育てのことは私にはよくわかりませんけれども。
 
たとえば私が一時期経験した塾講師なんかでは、「失敗したときの傷口をできるだけ小さくする」ことが大切なときがありました。どんな授業方法であってもそれに対応できない生徒が出るのは、集団教育では、ある意味仕方がないことです。このとき、生徒との信頼関係を築くことに失敗したときに、リセットボタンを押して「この失敗を来年に生かし・・・」と未来を志向するだけでは済まないことがあります。目の前の生徒をどう扱うかが課題になるわけです。こうなると、関係の悪化を最低限に抑えることが必要になってきます*1
 
あるいは、音楽スタジオでの仕事なんかでも、関係の悪化を防ぐという経験をしました。音楽関係者というのは根拠もなく偉そうな人が多いのですが、そういう偉そうな人たちと「最低限の仕事を確実に」する必要がありました。まわりに10人いたとして、そのうちの4〜5人程度と極めて親密になって、残りの者とは疎遠になったとすれば、大学サークルだったとすれば成功なのですが、仕事では失敗になります。まして、まわりに1人だけいたとして、その者とギクシャクするとなれば、大学サークルだったらそのサークルをやめればいい話なのですが、仕事でそうしてしまうと、いつまでたっても同じことを繰り返すようになり、自分自身が成長しません。

*1:塾講師での経験はあくまで「子ども相手の対処」ですから、そのまま職場の人間関係に使うわけにはいきません。当時の同業者でも(とくにプロ講師に多いのですが)、子ども相手に接するような態度で保護者や講師相手に接する人がたくさんいました。それに、私が経験したアルバイトのなかでも家庭教師や塾講師というのは平凡なものですから、実はこの話題はあまり好きではないんですよね。