市名と駅名の不一致

desktoptetsuさんの記事(id:desktoptetsu:20140303)に関連して、市名と駅名の不一致について。
以前、鉄道雑誌の投稿欄で話題になったことがありました。

■地域の代表駅名は市町村名に合わせよう
駅名と市町村が異なる駅は福岡周辺だけで6つもある。(小倉・東郷・博多・二日市・羽犬塚・宇島)これでは乗客が迷うのも無理はない。博多と小倉は有名だから心配ないが東郷は宗像、二日市は筑紫野、羽犬塚筑後、宇島は豊前に、それぞれ改めてはどうだろうか。
鉄道ジャーナル1991年12月号)

■駅名の役割とはなにか
博多は福岡市博多区、小倉は北九州市小倉北区にあり住所と一致しています。二日市駅はたしかに筑紫野市の中心駅ですが、全国的に見れば太宰府天満宮のJR最寄り駅として、すでに有名なはずです。
また豊前筑後は、市名であるとともに一地方をさす名称でもあります。実際に多くの「豊前○○駅」「筑後○○駅」が広い地域を限定しているので、より狭いエリア(一市町村)にたんなる「豊前」「筑後」という大ざっぱな駅名があっては混乱を招くでしょう。
鉄道ジャーナル1992年2月号)

福岡県ではその後も福間駅福津市になり、瀬高駅みやま市になるなど、市名と駅名の不一致が増えています。 たいていのパターンは、「駅開業の後に市制、あるいは市名変更」です。ここで考えてみると、駅名を地名にすべて合わせるというのは無理がある(目黒駅を品川駅に改称、忍ヶ丘駅四條畷市駅に改称すれば、おそらく混乱)のですが、しかし一方で、有名な地名に該当する駅名がないというのも不便な気もします(習志野市東大阪市などでしょうか。しかしこれも、どこかの駅を東大阪駅に改称したとしても、おそらく「大阪駅の東の駅?」「東梅田駅のこと?」くらいの混乱があるでしょう)。
また、合併市名は合併前各自治体への配慮から折衷案的な名になることが多く、駅名とするには不適切な場合もあります。
 
しかし、あえて市名と異なる駅名を付けるパターン(博多駅)や、市外駅に市名を付けるパターン(大阪駅和歌山駅(現紀和駅)、長崎駅(現浦上駅))もあります。宇島駅はもともと八屋町(宇島町は隣)にありました(その後八屋町は宇島市を経て豊前市)。
「市外駅にあえて市名を付けるパターン」は、現在はすべて市名と駅名が一致しているようです。