マイノリティ・リポート

やっぱり後半は間延びしましたが、それもスピルバーグ流の組み立てなのでしょう。
 
近未来SFの雰囲気を楽しむのであれば、かなりオススメです。2002年からみた「未来」の延長線上にある(かのような)2054年を本当にうまく映像化しています。特に網膜チェックによる監視社会なんて、いかにもありそうですよね。主人公が自分の目玉を持って逃げるところは、いかにもスピルバーグSF、という感じでした。
謎解きのほうは、犯罪予知システムの裏を突こうとするトリック、捜査官を陥れようとする陰謀が見せ場です。ところがですね、最初は「主人公は本当に犯罪を犯すのか」という謎だったのが、だんだんと謎が付け加えられてしまうのですよ。それも「謎が謎を呼ぶ」というタイプのものじゃなくて、脈絡なく「溺死した女」の謎が追加される。で、ラストは間延び。というわけで、どうにも消化不良の感が否めないのも事実です。