続々・趣味ちゃんねる

たとえば私は、「機器の接続」が好きでした。オーディオラックを部屋の真ん中に置き、無線とかアンプとか、機器の裏側をいつでもいじれるようにしていたんです。「機器の美しさは裏側にこそ宿るんだ」とか何とか言い放ってたんです。ところが近時の機器は、ケーブルをつないでそのまま使えるというものは少なくなり、ソフトウェアの調節をする必要が出てきました。そうなると接続という行為の意味が変わってきて、どのケーブルを使ってどういう順序でつなごうか、ということよりも、機器のパネルを操作して設定をいじることがメインになってきたのです。さてそうなってくると、趣味は大きく2つの流れに分かれます。ソフトウェアの分析に進むものと、アンティーク機器を好むものです。オーディオやバイクなどもそんな感じでしょうか。私はどちらかといえば後者のほうが好きなのですが(やっぱり原始的な「つなぐ」というのが好きです)、しかしアンティーク機器を「並べる」となると違和感があったりします。アナログプレイヤーと真空管アンプを置いたらそれで満足であって、そこにレトロスピーカーも置いたら過剰、っていう感じでしょうか。
それと、前にも書いたことですが、やっぱり年齢が上がってくると、集める物が「まとも」なものになってくるんですね。スピーカーを集めるにしても、拾ってきた段ボール箱にバッフル取り付けましたみたいなものを並べて許されるのは若い頃までかな、という感覚が出てくるんですね。
まあ、「好きなものを集めていればそれでいいではないか、それが趣味ってものではないか」と言われればそれまでなんですけれども。
 
あと、乗り物についても、鉄道車両や軍用機についても、新旧の葛藤があります。新型車両が好きだという人もいれば、あんなコンピュータの塊は好きになれない、動きが手に取るようにわかる蒸気機関車や旧式戦闘機のほうが好きだという人もいます。これについてはどちらかといえば私は、新しいもの好きですね。いや小型SLもメッサーシュミットも好きなんですけれど、電気機器と比べると旧式マシンの魅力は薄いかなという感じです。しかし乗り物の世界もコンパチ化というかマルチロール化が進んでいて、どこへ行ってもE233系だったり、戦闘機の攻撃性がみられない「なんでも機」が幅を利かせていたりする現状には、やや不満だったりします。